Story of Silkシルクについて
Story of Silkシルクについて
伝統と革新、シルク産業の
新しい幕開け
日本で養蚕が始まったのは 1~2 世紀頃と言われています。
生産された絹糸や絹織物は大変貴重とされ、一般的に使用されることはなく、
主に税として朝廷に納められていました。
正倉院には、当時に献上された絹織物が今でも残っています。
1900年~
明治初期には養蚕業の近代化が見られ、生糸は日本の全輸出品目の6割以上を占め、明治維新後の著しい経済発展をもたらした重要な基幹産業でした。1909年には日本の生糸生産高は中国を追い越して世界一となりました。
1930年~
明治後半から世界最大の繭の生産量を誇っていましたが、40万t/年に達した1930年をピークに、第二次世界大戦や産業構造の転換を背景として生産量が落ち込んでいきました。現状では、養蚕農家の8割が70歳以上となるなど超高齢化が進み、産業としての継続が危ぶまれています。国内の養蚕技術を未来に受け継ぐためには、時間的な猶予は少なく、緊急性は極めて高い状況下にあります。
2000年~
他方、世界的にはシルク産業は成長産業であり、中国・インド等を中心に養蚕の生産量は増加傾向となっています。昨今の技術進歩により、シルクは従来の繊維素材のみならず、様々な分野への応用が可能な素材として再度大きな注目を集めています。
日本においても遺伝子組み換えカイコの活用により、まったく新しいシルク素材が開発されたり、有用タンパク質製造では民間企業での実用化が始まるなど、シルク産業の新しい幕が開けようとしています。