愛媛シルク

#03

ソーシャルグッドへの挑戦

人・伝統・環境などの持続可能な共存共栄を生み出すことは、愛媛シルクの
存在意義です。常にソーシャルグッド※の視点を持って、活動を推進しています。

※ソーシャルグッド：社会（地球環境や地域コミュニティなど）に対して
良いインパクトを与えること。またその活動や製品、サービスのこと。

SDGsの６つのゴール達成に貢献

気候変動などの急激な環境変化や、人口爆発による食糧危機など、地球規模での問題が顕在化する中で、愛媛シルクでは SDGs※の６つのゴールの達成を目標に掲げています。

※SDGs：Sustainable Development Goals（持続可能な開発目標）」の略称。2015年9月に国連サミットで採択された、2030年までに達成するべき国際社会の共通目標のこと。「誰も置き去りにしない」というスローガンのもと、SDGsには17の大きな目標と、さらに169の具体的なターゲットが掲げられている。

約5000年の歴史を持ち、持続可能な産業として人類と共に発展してきたシルク産業はいま、その潜在的な価値が注目を集めています。蚕の繭から得られるシルクフィブロインは、持続可能なバイオマス素材としての有用性が期待されています。

シルク産業は、持続可能な社会を実現するSDGsの達成に不可欠な産業であると考え、愛媛シルクでは取り組みを推進しています。

未利用資源の活用とアップサイクル

従来の養蚕において、生糸は繭の全体重量のわずか17%しか得られませんでした。残りの83％は繭の中にいる蛹と、設立予定の副産物である「きびそ」です。きびそは蚕が繭をつくるとき最初に吐き出す糸。ゴワゴワとした手触りで、硬く太さも均一ではないことから、これまでほとんど使われることはありませんでした。

愛媛シルクでは「繭の100%活用」をコンセプトに、きびそや規格外として安値で取り引きされてきた繭を正規の価格で買い取り、今治シルクファクトリーで加工しています。繭から得られる次世代の機能性を活かし、様々な製品へとアップサイクル※しています。
※アップサイクル：本来は廃棄されていた素材に新たな付加価値を持たせ、別の新たな製品に生まれ変わらせること。

ノウフク（農福連携）

今治シルクファクトリーは、社会福祉法人来島会の敷地内にあるだんだんファームに設置されています。シルク水溶液やシルクパウダーの生産は、ノウフク（農福連携）※で、来島会を利用する障害のある方々が担っています。
※ノウフク（農福連携）：農福連携は、障害がある人をはじめとする多様な人が、農林水産業などの分野で活躍することを通じて持続可能な共生社会を生み出す取り組み。ノウフクは農福連携の可能性をいろいろな形で表現したブランドであり、多様な人が関わり合うプラットフォームのこと。

来島会においても、愛媛シルクとの出会いを機に、外部組織との連携強化や施設外就労での障害者雇用の創出、蚕のえさとなる桑の葉の栽培、シルク原料を使った商品開発など様々な取り組みに挑戦してくださっています。

愛媛シルクに幅広く多様な人に参画いただき、それぞれの役割を持って活躍できるダイバーシティ＆インクルージョンな社会の実現を目指しています。